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SANKIROU

三宜楼運営協議会

夢のあと
門司港旧料亭三宜楼

門司港より山手へ向かえば、なだらかに勾配の続く路地に、港と趣の異なる町に出会う。
港の繁栄が育んだ、料亭文化が花開いた界隈である。

1889(明治22)年、国の特別輸出港に指定された門司港は、外国航路の拠点および貿易港として賑わい、国際貿易の要衝として栄えていた。大手銀行や財閥が競う様に門司に支店を構え、当時の一等地の地価は、東京の一等地に並ぶ程であったという。交通が整備され、ガス燈、西洋建築が立ち並ぶ道路には、路面電車や人力車が行き交った。

港の繁栄にともない、山手の清滝、錦町の界隈には骰屋や料亭が連なる花街が生まれた。門を構えた大手料亭には、三宜楼、三笠、菊乃家等があり、これらは100名、200名を収容できる3階建の高楼であった。いずれも現在は廃業しており、途絶えながらも建屋が現存するのはわずかに三宜楼のみであるが、門司港には、ひろせ、岡崎、山水園の等の料亭もあり、時の花街の繁栄を伺うことができる。